第108話 『最初の一歩』

遂にオフ会開催に踏み切ったイタルとマーシャ。
SNSで知り合った人たちへメッセージを送った。


はじめまして!イタルと申します。
突然のご連絡お許しください。
X月X日に△△でオプション取引や先物についてのオフ会をやろうと考えています。当日はざっくばらんに色々情報交換出来ればと。○○さんもご都合が合えばぜひご参加ください。


Twitterのこんなメッセージだけで果たして何人が来てくれるのだろうか?
自分で書いておきながら、怪しさぷんぷんだなと感じたイタルであった。

マーシャも同様のメッセージをmixiから送っている。
全くの手探り状態にマーシャも不安の色を隠せなかった。

一人ではまずこんなことはやらなかったであろう。しかしイタルとマーシャが二人になると個人以上の行動をとることができる。このメッセージを送ることは全くもって自分の意思なのだが、何か見えない力に動かされているような不思議な感覚があった。


しかし現実は甘くない。イタルにもマーシャにも、声をかけた人からの連絡は全くこなかった。


「やっぱり投資とか、ましてやデリバティブの話でオフ会なんて怪しまれるよね。仕方ないか・・・」

「う〜ん。けどきっと誰かは反応してくれるよ。俺はそう信じたい。」

マーシャの目には不安と共に確固たる信念が垣間見得た。

ここまで来れたのも、色々な人との出会いがあったからこそだ。
イタルと再会したあの同窓会の夜、いくらイタルでも投資の話をしたら引かれるだろうなと思った。
事実、これまで何人もの相手にそういう反応をされてきた。
しかしあの時思い切って話したからこそいま二人はこうしてLLPを作れたのだ。

オプション取引だってそうだ。あの時同僚に、そしてその奥さんである師匠に思い切って声をかけたからこそ、今の現実がある。


一番難しいのは、最初の一歩を踏み出すことだ。


この一歩をマーシャとイタルは2人で「やるしかやい」と何度も超えてきたのだ。


1杯飲めば充分酔いが回るマーシャだが、この日は珍しくビールを3杯飲んだ。
千鳥足で居酒屋を後にしたイタルとマーシャには、既に終電が行ってしまったことなど気付いていなかった。

その頃、mixiにメッセージが届いていた。


「いいですね。ぜひ参加したいです!」



今回ご紹介したい本はこれだ。


“めんどう”なことを“やりたい”ことに変える力。

サマンサタバサ・トゥモローランド・ソニーコンピューターエンターティンメントなど、100社以上のかっこいい企業をコーチング。

世界一ファンキーな経営コンサルタントが教えるすごい意思決定の教科書。


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大橋禅太郎

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第107話 『仲間集め』

投資仲間を増やすため、ソーシャルネットワークを活用することにしたイタルとマーシャ。

マーシャは個人でも使っていたmixiを手始めにと、さっそくイタルとマーシャの共通のアカウントを作成しコミュニティを立ち上げた。

さすがは行動力が売りのマーシャだった。

アカウントを作成してからというものの、週1回は日記を書き込み、コミュニティにはオプションの勉強になればと、
様々なオプション用語の説明を載せた。

友達申請も毎日続け、気がつけば1ヶ月と経たぬうちに90人近くの仲間を集めていた。


「さすが、マーシャ。みるみるうちに仲間が増えていくね。」

「なんとかね。けどオプションに特化した仲間がなかなかいないね。やっぱりまだまだマイナーなのかな。」

「たしかに。根気強く探していくしかないね。そうだ、こうなりゃTwitterもやってみない??アカウント作ってみるよ。」


mixiでの順調な滑り出しに気を良くした二人はTwitterも始めることにした。
なんでもやってみようというする2人は新しいことに対する抵抗感がほとんどない。

Twitterでも同様にフォロワーを増やそうとつぶやきつづけた。目指すはフォロワー1000人超えだ。


そんな活動を始めること3ヶ月。徐々にオプション取引経験者や興味のある人などがちらほら現れるようになってきた。


「そろそろ、声かけてみない?オフ会。」

マーシャが少しためらいながらイタルに話しかけた。

実はマーシャもイタルも、「オフ会」というものを経験したことがない。
そもそもどうすれば良いのか。。

「そうだね。まー、よくわからないけど、声かけてみてざっくばらんに話せればいいかな。
 場所もうちらが良くいく居酒屋で良いよね。」

「よし、とりあえずやってみよう!」


オプション取引についてオフ会しませんか?


mixiやTwitterで情報発信をしているものの、こんなことをいきなりメッセージで送るのはどうだろうか?
きっとアヤシイヤツだと思われるだろう。

しかしそんなことを考えていたら始まらない。怪しくて結構だ。
それでも来てくれる人がいればありがたい。

そう、やるしかやい。

そういい聞かせ2人はそれぞれの仲間たちにメッセージを投げた。


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第106話 『ソーシャル』

2011年の始め、イタルとマーシャはある目標を立てていた

「今年は投資仲間を増やそう。」

マーシャが呟いた。

「なんだかんだでウチらはまだまだひよっ子。もっと色んな仲間と交流して、色んな刺激をうけないと。そう、やるしかやい!」

お気に入りの水出しコーヒーをすすっていたイタルは、飲み終わるや否や、

「いいね!それやったら何かヒントになるかもしれないね。よし、いつやる?」

フットワークの軽さ、すぐに行動に移す意志、イタルとマーシャが日頃心がけている重要なメンタリティだ。

「いや、その前に、どうやって仲間を探すかだな。」

イタルは最近機種変更したばかりのスマートフォンを手にとった。

「SNSか。」

「SNS? mixiとかfacebookとかの? お〜それだ!たしかに師匠に会えたのもうちらがブログをやってたからだし、きっとまたいい出会いがあるはずだよね」

さっそくネットで情報を集め始めた二人。

mixi なら以前にやったことがある。さっそくアカウントを取得し、オプション取引の掲示板を立ち上げた。

果たして人は集まるのだろうか。


今回ご紹介したい本はこれだ。

「Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流」

140字の「つぶやき」がなぜ世界を変えるのか

リアルタイム性の高さと強力な伝播力によって、ツイッターはコミュニケーションを変えた。
ジャーナリズム、政治、ビジネスの世界に、何が起きているのか?


Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
(2009/11/06)
津田 大介

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第105話 『やるしかいやい』

瞑想を選択したマーシャであったが、すぐに株式相場が気になり、再びレッツノートを取り出し日経平均をチェックした。

「あちゃー。もうどうにもならないなぁ。プットのプレミアムがとんでもないことになってるよ。今仕掛けるのは危険過ぎるな。」
今にも8,000円を下回りそうな日経平均を見てマーシャは呟いた。

思えば、先週のSQ前日に「1日に日経平均が1,000円以上も動くわけがない。」と豪語していた自分の考えがいかに浅はかであり、未熟であったかを思い知らされた感じだ。

しかし過去をどんなに振り返っても意味がない。そこから学んで前へ進めばいいだけだ。そして我々は荒れ狂う相場に挑み勝利を手にして、義援金を寄付すると決めたばかりだ。

「やるしかやい。やるしかやい。」
心の中で連呼して打開策を模索することとした。

復興需要で建設セクターを中心に相場は必ず反転するはずだ。しかし一体どのタイミングで反転するのかは残念ながら我々には回答を用意することはできない。日経平均は1週間前に比べて20%近くも下落しているが、まだ復調の兆しが見えない。

底値はいくら?
しかしそんなこと予想するだけ無駄だということは過去の経験上痛い程解っている。

そんな事を考えながらプライスボードを凝視する中、マーシャはあることに気が付いた。

「むむむ。これはいけるぞ。いやいやいけるでしょう。てゆーかいくしかないでしょう。すぐにイタルへ連絡だ。」

今までプットの高プレミアムばかりに気を取られていたが、コールのプレミアムも急上昇していた。通常の相場では考えられない程の高プレミアムだ。おそらく震災前の株価水準に戻るには半年〜1年はかかるだろう。しかしその株価水準でレシオコールスプレットを仕掛けても十分な利益を手にするができる。まさしくローリスクハイリターンだ。

そして二人はすぐにレシオコールスプレットを仕掛けたのであった。


今回紹介する本はこれだ。

「宇宙―太陽系とその惑星から銀河宇宙の果て、地球外生命探査まですべてがわかる」です。

最近、少しずつではあるが宇宙についての話題が取り上げられてる。地球とよく似た惑星として「ケプラー22b」が発見されたとNASAから発表があったり、日本が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」は映画化されている。マーシャの周りも若干ではあるが宇宙ブームだ。この本は前ページがカラーとなっていて写真や図面がとても美しいです。宇宙に興味がない人でも写真の美しさに魅了されるでしょう。是非是非見て下さい。

宇宙―太陽系とその惑星から銀河宇宙の果て、地球外生命探査まですべてがわかる宇宙―太陽系とその惑星から銀河宇宙の果て、地球外生命探査まですべてがわかる
(2007/09)
沼澤 茂美、脇屋 奈々代 他

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第104話 『賢者の選択』

震災から3日後、オープニングベルの鐘の音と共に激動の1日が始まった。
寄り付きから直滑降で日経平均が大きく下落していく。

寄り付きの日経平均は210円安の10,044円だ。

かつてない程の未曾有の大災害と荒れ狂う日経平均に意気消沈した二人はトレードする気にはなれなかった。

しかし被災地から流れてくる衝撃的な映像を見て、微々たる力だが、我々が今期上げてきた利益の1部を被災者の方々へ義援金として募金することを決意した。

そしてとどまる所を知らない下落相場に怯えながらも二人はメールのやり取りを繰り返し、より多くの義援金を募金するため、荒れ狂う相場に見え隠れするチャ ンスを必死に探し始めた。

「まだまだこんなもんじゃない。被害の全貌が掴めていない内は仕掛けない方が 身の為だ。株式相場が一番嫌がるのは、不透明感だ。そう今は静観だ。」

 リーマンショック以来の高プレミアムのため、上手くいけば、かなりの利益が狙える。
 逆に上手くいかなければ激動の相場に飲み込まれ、募金ができなくなってしまう。

 高プレミアムの誘惑を必死に追い払いこの日の二人は静観を選択した。

 結局、この日の終値は675円安の9,579円であった。

 ・・・翌日・・・
 前日と同様に激しく下落していく日経平均。
 会社が休みであったマーシャはベッドにゴロゴロと寝転がりながら前日比600円安付近で停滞している株価を見て、イタルへ 連絡をした。

 「2日間で1,000円以上下落しているからチャンスじゃないかな。レシオストラングルで勝負をかけますか。」
 
 「いやまだ早いよ。不確定要素があるからしばらく様子を見よう。まだ静観だ。」
 
 仕掛けたくてウズウズMAXのマーシャとは対象にイタルは冷静そのものだった。
 
 そしてこのイタルの選択は後に伝説となり「賢者の選択」と称されるようになった。
     
 午後は急用ができたため、外出していたマーシャは電車の中で携帯画面を見て激しく狼狽した。そして大きく深 呼吸をし、再度画面を見た。
 
 ???1,200円安???
 
 携帯が故障したのかな?
 
 すかさずバックから愛機のレッツノートを取り出し再度確認をした。
 ま、間違いない。これは現実だ。
 
 ???何が起きたの???
 
 そして現実を直視する勇気がなかったマーシャはレッツノートの電源を切り、電車にガタンゴトンガタンゴトン揺られながらしばらく瞑想することを選択したのであった。

今回紹介するのはこれだ。
「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」

『いま、手元に五ドルあります。二時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?
』おそらく手元の五ドルを使って増やそうとするでしょう。
それはまさしく先入観です。問いのどこにも五ドルを使ってとは書いていないではないですか。
先入観を捨てゼロベースで考えることが大事。その他にも色々とためになりますよ。
20歳を過ぎても遅くはない。マーシャは30歳を過ぎてからこの本を読みました。


20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
(2010/03/10)
ティナ・シーリグ

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